連日、炭水化物と酒で暴飲暴食を続けた結果…太った…
暇と憂鬱から、連日暴飲暴食を続けている。
酒&酒&炭水化物しか愛せない!
結果、体重が68kgになった。
身長170cmなので、だいぶポッチャリとした体型だ。
学生時代はマイナス10kgくらいでスラッとしていたのに……
体重と脂肪が増えるとともに、洋服も入らないものが増えてきた。
無理やり着ようとするけれど、「やめて!もうやめて!!あなたの身体は入らないわ!!!生地が破けるわ!!!」という洋服の悲痛な叫びが聞こえる。
私は紳士なので、それ以上彼らをいじめることはしない。
諦めてもう少し大き目の服を手に取り、潔く自分の負けをみとめる。
「ふふふ……わかってるじゃない……あなたはもうMサイズじゃない!!Lサイズなのよ!!!」という洋服の歓喜の雄叫びが聞こえる。
しかし、私とて太った自分を愛しているわけではない。
元々自分を愛しているわけではないけれど、仮に痩身か肥満を選べるならば、迷うことなく痩身を選ぶだろう。
誰だって、イケメンとブサメンならイケメンを選ぶ。それと同じ理由だ。
なので、現状の自分の体型は愛していない。
そんな醜い姿をふと鏡で見ると、ますます憂鬱になる。
その憂鬱さに耐えきれず、余計に暴飲暴食に走る。
その結果さらに肥大し、鏡に映った醜い自分にまた憂鬱に陥る。
食えば太り、太れば落ち込む。落ち込むから食い、また太るから落ち込む。食う。太る。落ち込む。
この無限ループを何度繰り返してきただろう。
おそらく、お気に入りの曲を聞いた回数と匹敵するのではないだろうか。
ということで、少しでも世の中にお届けする顔に不快感を感じさせないように努力する必要が、私にはある。
ダイエット?いや違う。あんな修行のようなことは出来ない。
手っ取り早い方法。それは顔を隠すことだ!
顔を隠すなら、そうマスクだ。
ということで、近所のイオンモールに訪れた。
イオン2Fの一角には、マスクコーナーが作られていた。
しかし、この売り場面積である。
小さなコンビニの店内くらいあるのではないか?と驚いてしまった。
今やマスクも単なるウイルスからの保護という目的だけではなく、通気性、保湿性、UVカット、ファッション性など、実用面やオシャレの側面が目立つようになってきた。
色選びには難儀したが、パステルマスクの黒を選んだ。
あまりいい印象は受けない黒マスクだけど、黒色は小顔効果があるらしい。
きっとバスケットボールのようなこの私の顔も、テニスボールくらいの大きさまで縮んで見えるのではないだろうか?
あまりに小さくなり過ぎて、顔がない奇怪な生命体だと思われたらどうしようか。その際は素直にマスクを取るしかない。
ちなみに、サイズは3種類だった。
S (スモール)、R (レギュラー)、L (ラージ)。
RとLは一瞬まぎらわしい。
穴が開くようにパッケージを観察したが、RとLのどちらが自分の顔のサイズに合っているのかは、外見では判断がつかなかった。
いっそのこと私にハンドパワーがあって、本当に穴が開いて商品が落ちてくれないだろうかと願った。そうすれば手にとって試着出来るのに。いや、売り物だからアウトだけど。
試着できる洋服と違って、勘で装着感を見極める作業は、非常に困難を極めた。
僭越ながら、私は観察眼の無さには自信がある。今までに買い物で失敗した回数は数知れない。その度流す嗚咽により、日本の水の3分の1は供給されると言われている。
大は小を兼ねる。迷ったら大きい方を。というのは、多分買い物の鉄則だ。特に衣服類では。
それはなぜか。見栄えは悪くなるかもしれないが、着られないという最悪の時代を避けるためだ。
我々祖先のネアンデルタール人の時代から、人類はそうやって生きてきた。
あの時代にユニクロがあれば、きっと彼らもLサイズを選択したであろう。彼らほど叡智と勇気がある者なら、Mサイズなどという邪道極まりない選択は取らないに違いない。
しかし、私には叡智も勇気もなかった。ついでに言えば、ネアンデルタール人でもない。
なので、私は戦略的思考を重ねた末に、真ん中のRサイズを選択した。
なんのことはない。ネットのレビューでこっちの方が評価が多かったというだけのことだ。
叡智も勇気もないが、我々にはGoogleがある。