強迫性障害の辛さ
私は強迫性障害である。
強迫性障害とは、手を洗うのを止められなかったり、家の火の元が気になって外出出来なかったり、鍵をかけたか不安で何度も確認してしまう精神的疾患のことを指す。
私は、とにかく確認が止められない。
特に家を出る際に、ガスを消したか、火を止めたか、冷蔵庫は閉めたか、充電のしっ放しはないか、鍵はかけたか、などなど、何もかも確認しなければ家を出られない。
これだけなら、ただの細かい所まで注意する人と言えるかもしれない。
しかし、この疾患の辛いところは、確認したはいいものの、その確認に自信を持てないところにある。
一度確認しても、「本当に大丈夫なのか?」と不安になって、また確認してしまうのだ。
そして、一通り再度の確認を終えても、また不安になってしまう。
私は本当に確認したのか? 本当に大丈夫なのか? さっき見たのは現実だったのか? 夢だったのか? もう一回確認した方がいいんじゃないか?
この作業が延々と繰り返される。
自分でも確認に確認を続けて、絶対に大丈夫だと分かっているのに、それでも不安になってしまう。
最後には、疲れ切ってしまう。精神的に何が何だか分からなくなってくる。
それでも最終的に外に出られればまだ良い方だ。
疲れに疲れ切って、結局不安と精神の摩耗で、出かけることさえ出来ない事が多くある。
この疾患のせいで、一体何度外出をしようとして、結局出来なかったことか。
今日も、外出しようとして、延々とコンセントの確認をした。抜いてある。大丈夫。電源は点いていない。でもそれは本当なのだろうか?もしかしたら現実でないのではないか?
うん、大丈夫。絶対に大丈夫。分かってる。大丈夫。でも自分が信じられない。自分の目が、記憶が、何もかも信じられない。もう嫌だ。
これは無理だな。今日は無理だな、と諦めかけていた。
それでも、何とか自分を信じて、30分以上に渡る格闘の末に、ようやく外に出られた。
疲れた。外に出る前に疲れ切ってしまった。
精神的に何も余力がない。全て家を出る前に使い果たしてしまった。
はぁ、もう帰って横になりたい。